《編集コラム》広報誌をつくろう! 第6回 編集実務 ~見出し・リードのつくり方~
前回までの内容
見出しをつける
広報誌掲載のための原稿を集め、原稿整理ができたところで、次に行う作業が見出しやリード(前置き文)をつくることです。
見出しやリードは、その記事に興味をひいたり読みやすくするために必要で、これを考えるのも編集者の大切な仕事。
広報誌はもちろんのこと、一般の新聞や雑誌などでも、内容を最初から最後まですべて読み切る人は少ないでしょう。
そこで、読者にとって興味がある記事かどうか、読む価値があるかどうかを一目で判断できるように、大きな字で見出しをつくっておくのです。
上の例では「渋沢栄一も関わった紀念祭」や「進化しながら受け継がれる時代絵巻」の部分が見出しになります。
見出しをつくる作業は、広報誌の企画や記事の意図、さらに読者のニーズなどもすべて把握している編集者が最も適任であるといえます。
つまり、執筆者と読者の間に立って、内容を届けやすくするための役割を担うわけです。
さて、まずは見出しについて、様々なタイプがありますので順に見ていきましょう。
何について書かれているかをそのまま見出しにするタイプ。簡潔な表現で、書籍や番組のタイトルのような雰囲気のものが一般的です。
例)「日曜大工入門」
「よくわかる感染症対策」
「京都の名店散歩」
➁トピックス型
書かれている記事の要点となる事実を抜き出してまとめるタイプ。ニュースの題目のようなスタイルです。
例)「京都駅前に複合型ホテルがオープン!」「社員の約80%がテレワークを希望」
「清流にホタルが帰ってきた」
➂キャッチコピー型
広告のキャッチコピーのようの言い回しで、読者の印象に残る見出しをつくります。個性的で、ひねりの効いたアイデアが必要で、カルチャー系雑誌や週刊誌などにも多いタイプ。
例)「3条件で厳選!安心して働ける地元企業」「京の旅 戦国人の夢のあと」
「伝家の宝刀?今さら聞けない“衆議院解散”」
④発言型
インタビュー記事の場合、その人の印象的な発言の一部を抜き出し、そのまま見出しに使用します。
例)「壁というのは、超えられる可能性がある人にしかやってこない」「日本一話しやすい美容師を目指しました」
➄問いかけ型
インタビュー記事や一般の記事などで、興味喚起のために「問いかけ言葉」を見出しに持ってくるケースもあります。
例)「最近話題の○○って知っていますか?」「ヒットの理由、教えてください!」
以上が主なものとなりますが、探せば他にも様々なタイプの見出しが、メディアの中に見つけられると思います。
また、異なるスタイルの見出しを組み合わせた「複合型」も多く見られます。
リードを書く
文章量の多い記事の場合、その記事への導入部として「リード」をつけることがあります。
リードとは、前置き文のこと。いきなり長い記事を読んでもらうよりも、リードで興味を引いたり、中身の要約を知ってもらうことで、本文を読むか読まないかの判断をしてもらうといった役割もあります。
左の会報誌を例とした場合、「びわ湖バレイ」と大見出しがある下の部分の文章が「リード」です。
リードには、主に以下のような書き方があります。
①まとめ型
その記事の内容を短い文にまとめて冒頭で説明。本文全体を読まなくても、おおよその内容が分かるように作成します。
➁前置き型
その記事を発信しようとしたきっかけや、読者の関心を引く話題づくりを行い、続けて本文が読みたくなるような期待感を高める文章を前置きとして作成します。
今回は様々なタイプの見出しやリードをご紹介しましたが、作成する際に大切なことは、編集者として記事の内容をしっかりと理解すること、そして「誰に何を使えたいのか」を押さえておくことです。そうした前提をふまえて、最適な見出し・リードのスタイルを考えていきましょう。
各種メディア制作のご案内はこちらをご覧ください。
https://create.graphic.co.jp/