《編集コラム》広報誌をつくろう! 第9回 印刷に適した画像データ
前回までの内容
- 第1回 広報誌の役割
- 第2回 広報誌ができるまで ~制作の全体像~
- 第3回 編集実務・企画
- 第4回 編集実務 取材・執筆依頼
- 第5回 編集実務 ~原稿整理~
- 第6回 編集実務 ~見出し・リードのつくり方~
- 第7回 編集実務 ~書体の使い方~
- 第8回 縦書き、横書きの基礎知識
写真をきれいに見せるために
広報誌を作成する際には、通常たくさんの写真や図版などの画像を使用しますが、今回は印刷に適した「画像解像度」のお話です。
せっかく写真を使うのですから、やはり印刷した時にきれいに見えるほうが広報誌全体の印象や見栄えも良くなりますよね。逆にぼやけていたり、ギザギザのジャギーが出ている粗い画像を使うと、見づらいものになってしまいます。
画像を準備する際に、ぜひチェックしておきたいのが「画像解像度」です。
実際に誌面をつくる際に、エディトリアルデザイナーやDTPオペレーターがチェックする、適切な画像解像度の目安があります。編集者でもこれを知っておくことによってスムーズに画像の手配ができるので、ぜひ基本を押さえておきましょう。
画像解像度とは、画像の精細さをあらわす数値で、dpi(dot per inch)や、ppi(pixel per inch)という単位がよく使用されます。
どちらも意味は同じで、画像を構成するドットやピクセル(点)が1インチ(=25.4mm)にいくつ並んでいるかを示す数値。この数値が大きいほど密度が高くなり、高精細の画像ということになります。
次に、印刷物に画像を使用する際の解像度の目安を見ていきましょう。
適切な画像解像度
広報誌(印刷物)に使用する場合
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カラー写真・・・誌面に使用するサイズで 350~400dpiの解像度が必要
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モノクロ写真・・・誌面に使用するサイズで 600dpiの解像度が必要
デジカメで撮影された写真は、画像の大きさを表す「幅×高さのピクセル数」の数値が高いほど印刷物にも大きく使用できます。
例えばカラー写真データがきれいに見える画像解像度の目安は、元の画像データを350~400dpi相当に換算したときに、誌面上で使用したいサイズより大きければきれいに印刷できますし、それ以下であればぼやけてしまうケースが出てきます。
画像解像度の換算方法については、専門的な内容になるのでここでは詳しく触れませんが、分からない場合は担当デザイナーやDTPオペレーターに相談すると良いでしょう。
ちなみにウェブサイトに画像を使用する場合は、もっと低い解像度でもOK。
ウェブサイトに使用する場合
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画面に使用するサイズで 72dpiの解像度が必要
この72dpiはスクリーン解像度と呼ばれ、モニタ上ではきれいに見えるサイズです。
しかし印刷には不十分ですので、ウェブサイトに使用した画像をそのまま印刷物に流用すると、粗い、ドットが目立つ仕上がりとなり、文字などは読めないことがありますので注意しましょう。
補足となりますが、画像処理ソフト・Photoshopを使った画像解像度の確認方法やサイズの調節方法は、「印刷の通販 グラフィック」のサイトでも詳しく紹介していますので、さらに深く知りたい方は下記リンクの記事をチェックしてみてください。
https://www.graphic.jp/data_guide/adobe_photoshop/size/resolution
各種メディア制作のご案内はこちらをご覧ください。
https://create.graphic.co.jp/