《編集コラム》広報誌をつくろう! 第12回 表紙の考察
前回までの内容
- 第1回 広報誌の役割
- 第2回 広報誌ができるまで ~制作の全体像~
- 第3回 編集実務・企画
- 第4回 編集実務 取材・執筆依頼
- 第5回 編集実務 ~原稿整理~
- 第6回 編集実務 ~見出し・リードのつくり方~
- 第7回 編集実務 ~書体の使い方~
- 第8回 縦書き、横書きの基礎知識
- 第9回 印刷に適した画像データ
- 第10回 編集実務 ~校正~
- 第11回 冊子印刷の基礎知識
広報誌をつくる際に、特にこだわって作られるのが「表紙」ではないでしょうか。
表紙は、言わば広報誌の顔。
冊子のコンセプトや内容を分かりやすい形で表現するために、読者の目を引くビジュアルや見出しが必要になります。
表紙次第で印象はガラリと変わりますし、まず「手に取って読みたい」と読者を引き込む役割が求められます。
今回は、広報誌の表紙に用いられる様々な表現方法を見ていきましょう。
三つの表紙タイプ
広報誌には、主に次の3つのタイプの表紙が多く用いられています。
①《イメージビジュアル型の表紙》
広報誌全体のコンセプトを象徴するようなイメージビジュアルを大きく使用。
あえて記事内容とは直接結びつかない画像を使用するケースもあります。
最も目を引きやすくイメージ作りに効果的です。
➁《特集連動型の表紙》
中身の特集記事に関連するビジュアルを使うなど、その冊子の中心となる記事へと誘導する表紙です。
魅力的な画像を大きく使うことで、ページをめくる期待感を高めます。
➂《新聞型の表紙》
イメージづくりを行う表紙ではなく、新聞の第一面のように、最も伝えたい記事をそのまま掲載します。
目立つ大見出しによって、メインの話題を優先的に伝えることができます。
業界によって異なる表紙の表現
業界によって広報誌の目的は様々。それに応じて表紙の表現方法も千差万別です。
次に、業界ごとの一般的な特徴をピックアップしてみました。
《一般企業》
- その企業の理念やコンセプトを反映するタイトルやイメージビジュアルを使用。
- コーポレートカラーや特定のフォントなど、企業ブランドを踏襲した表現が多い。
- 主力製品や、生き生きと働く社員が表紙を飾ることも。
《学校》
-
生徒の顔が見える表紙によって、安心感、親近感を伝える。
-
歴史のある建物や最新設備など、学校を代表する建物もキービジュアルになる。
-
若々しく、さわやかな色使いが適している。
《病院・福祉関連》
-
清潔感や安心感を与える画像や色使いが適している。
-
動物や自然風景、花など、気持ちを癒すイメージビジュアルも人気。
-
ユニバーサルデザインを意識した、見やすい紙面が望ましい。
《地方自治体》
-
その地域を代表する名所や特産物、イベントなど、地域特性を表現する表紙。
-
子供や住民の笑顔など、住民参加型の表紙や記事企画。
-
やわらかい雰囲気のイラストやマンガを使って、幅広い世代に親しまれる表現も。
《学術・研究機関》
-
その研究で扱っているアイテムや、研究に必要な道具類などをデザインに取り込む。
-
大学や研究所のアカデミックな雰囲気の建物のフォルムを生かした表紙。
-
研究中の人物をメインにしたビジュアル。
さて、様々な表紙の表現方法を見てきましたが、やはり大切なのは「誰に何を伝えたいか」を考えること。
広報誌で発信したいテーマと、受け取る読者の顔を想像し、受け入れられやすい表現方法を十分に検討して、表紙や中身をつくっていきましょう。
各種メディア制作のご案内はこちらをご覧ください。
https://create.graphic.co.jp/