紙×デジタルの相乗効果を狙う(2)~販促予算を効率よく使う方法~

前回のブログ『紙×デジタルの相乗効果を狙う「ハイブリッドマーケティング」のススメ』では、それぞれの媒体の特性を解説し、双方を生かすマーケティングのあり方をご紹介しました。
興味をお持ちの企業の販促担当者様からは「では紙媒体とデジタル媒体、予算配分はどうすればいいのか?」といった声を伺うことがあります。
そこで今回は少し掘り下げて、紙とデジタルの効率の良い展開方法について考えたいと思います。
近年はデジタル媒体に触れる機会が多く、また広告の費用対効果が数字で見えやすいことからも、「より多くの予算をWEB広告に投下するほうが効率的なのでは?」と考えてしまう傾向も確かにあるようです。
しかし、媒体ごとの特性を考えることなく、予算を一方向に偏らせてしまうと、全体の販促効果が著しく低下することがあります。
大切なのは、紙媒体かデジタル媒体のどちらか一方を選ぶことではなく、それぞれの得意分野に合わせて予算と役割を分担させることです。
キーワードは「認知の紙」と「理解のデジタル」。
この考え方をもとに、メディアの導線設計を考えてみましょう。
頭に残る「紙」で認知の網を広げる
どれほど素晴らしい商品や、情報が網羅されたWebサイトを用意していても、まずはその存在を認知してもらわなければ始まりません。
この「認知」のフェーズで圧倒的な強みを発揮するのが「紙媒体」です。
人間は、紙に印刷された情報を読む時、パソコンの画面で読む時よりも脳の「理解や記憶」を司る領域が活性化すると言われています。
また、紙媒体は下記のような特徴を持っています。
視界に飛び込む一覧性
例えば封筒から取り出したDMや新聞折込チラシは、スクロールされることなく一瞬で全体のイメージが視界に入ります。
感覚的な記憶
紙の厚み、手触り、独特のデザインといった「五感の刺激」は、ブランドの印象を無意識のうちに記憶に刻み込みます。
まずは、ターゲットの手元にリアルな媒体を届けることで、「こんな商品があるんだ」「このサービス、面白そうだな」という最初の興味のきっかけ(認知)を確実に作り出します。
誌面制約を受けない「デジタル」で深い納得を促す
紙媒体で興味を持ったユーザーは、次に「もっと詳しく知りたい」という欲求を抱きます。
ここから活用の幅を広げたいのが「デジタル媒体」です。
紙媒体には、紙面のサイズやページ数という物理的な「情報量の制限」があります。
無理に細かな文字を詰め込んでしまっては、せっかくの美しいデザインが台無しになり、読む気を失わせかねません。
そこで、紙面には「フック(興味を引くキャッチコピーや核となるメリット)」だけを厳選して載せ、詳細な説明はデジタルに委ねます。
デジタル媒体の特性を以下にまとめます。
詳細で豊富な情報量
WEBサイトや特設LP(ランディングページ)であれば、紙面で惹きつけたユーザーの疑問や知りたいという欲求を満たす詳細な情報で、商品の魅力を語れます。
多面的なアプローチ
テキストや静止画だけでなく、実際の使い方を伝える動画で、お客様のリアルな声、よくある質問(FAQ)などを展開できます。
スムーズな出口
納得したユーザーがその場で「購入」「資料請求」「問い合わせ」といったコンバージョン(成果)アクションを即座に起こせる仕組みを整えられます。
予算配分のヒント ~5:5から始める連動型設計~
では、実際に予算はどのように分担すべきでしょうか。
まだ社会的に認知度が低い新商品・新サービスの場合、
「認知のためのクリエイティブ(紙)」と「受け皿となるコンテンツ(デジタル)」の予算比率をシンプルに「5:5」で設計してみることをおすすめします。
紙媒体の予算(50%)は、ターゲットの手に届くDMの制作・発送や、ブランド訴求のためのパンフレットの制作に充てます。
そして、デジタル媒体の予算(50%)は、アクセスしたユーザーを逃さずにクロージングへと導くWebサイト・LPの構築や、詳細を伝える動画制作に投資します。
「広く知ってもらうための入り口」と「深く納得してもらうための出口」のどちらが欠けても、販促の歯車はうまく回りません。
まとめ ~「役割のバトンタッチ」が成功の秘訣~
販促・広報予算を最適化するカギは、媒体同士を競わせるのではなく、リレーのように役割のバトンタッチをさせることにあります。
パッと目を引く美しい「紙」でスタートを切り、情報量豊かな「デジタル」でゴールテープを切る。
このような導線設計を取り入れて、最大の成果を引き出すプランを考えてみてはいかがでしょうか。
次回以降の本ブログでは、具体例についても触れていきたいと思います。
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この記事の執筆者
株式会社グラフィックソリューションズ 営業企画担当 佐野
様々な業種の企業・学校の広告、広報メディアの企画・制作、ディレクションに携わる。見る人の心に響き、行動を促す「伝わるコンテンツ」の設計を追求。本ブログでは、長年のエディター兼ライターの経験を活かし、多角的視点からメディア活用法や制作の舞台裏を発信している。