ちょっと役立つ印刷・デザイン用語のマメ知識(5)~CMYKによる印刷表現~


このコーナーでは、普段何気なく使っている印刷やデザインに関する専門用語をピックアップして解説します。

4色の掛け合わせであらゆる色を再現

商業印刷物などの製造に、一般的に使われているオフセット印刷。

フルカラーの印刷物を作るために、4色のインキの版を掛け合わせて印刷されていることはご存知の方も多いでしょう。

その4色がCMYKで、プロセスカラー(プロセスインキ)とも呼ばれています。

プロセスカラーの4色

Cyan(シアン):青緑色。青と緑の中間のような色で、空の色や水の色を表現するのに使われます。

Magenta(マゼンタ):赤紫色。鮮やかなピンク色に近い色で、肌の色や赤みを帯びた色を表現するのに重要です。

Yellow(イエロー):黄色。明るい黄色で、太陽や光を表現するのに不可欠です。

Key Plate(キー・プレート):黒色。このインキが加わることで、CMYの3色だけでは表現しきれない深い黒や、はっきりとした文字などを印刷できるようになります。

C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3色を掛け合わせによって理論上はあらゆる色を表現でき、黒に近い色も出すこともできます。

しかし、3色だけでは深みのある純粋な黒を表現したり、文字や線の輪郭をくっきりとさせたりするのが困難です。

そこで、印刷物の輪郭や濃淡を決定づけるために「鍵となる」特別な墨インキの版が使用されました。
この版が「Key Plate」と呼ばれ、その頭文字がKとして使われるようになりました。

黒が印刷表現を豊かにする

「K」は黒の頭文字と思われるかもしれませんが、実はそれは間違い。
先ほど触れたように、正解はKey Plateの「K」。

黒ならば、本来はBlackの頭文字「B」を使いたいところですが、BはRGB(光の三原色)のBlue(B)と混同する可能性があるため、代わりに印刷物の輪郭を決定づける「鍵(Key)」となる版という意味でKが使われています。

家庭用プリンターのインクカートリッジなどでは、黒インクが「BK」と表記されていることも多いようですが、それはBlue(B)と区別するためと、より直感的にBlackであることを示すためです。

ちなみに、黒の表現には「リッチブラック」という技法もあります。

リッチブラックとは墨インキ(K)にCMYのインキを加えて、墨インキだけでは表現できない、さらに深みのある黒を表現する設定です。

当社おすすめのリッチブラックはC60 M40 Y40 K100です。黒を活かしたいデザインをお考えの際は、ぜひご参考に。

関連記事

「ちょっと役立つ印刷・デザイン用語のマメ知識」 その他の記事はコチラ

この記事を気に入って頂けたら
いいね!・フォローをお願いします