ちょっと役立つ印刷・デザイン用語のマメ知識(3)~なぜ紙の厚さは「kg」で表すの? ~

印刷物を発注する際、紙の厚さを示す単位として「kg(キログラム)」という表記を目にしたことはありませんか?
例えば「コート135kg」「上質90kg」など。
「紙の厚さなのに重さ?」と疑問に思われた方もいるかもしれませんね。
今回は、この「kg」という単位の意味と背景についてご紹介します。
紙の厚さを重さで表すのはなぜ?
日本の印刷業界では、紙の厚さを「連量(れんりょう)」または「斤量(きんりょう)」と呼ばれる単位で表すのが一般的です。
どちらも「一定のサイズの紙1000枚分(=1連)の重さ(kg)」を示すもので、印刷用の主な原紙である四六判(788×1091mm)や菊判(636×939mm)などの規格に基づいています。
例えば「コート135kg」というのは、四六判サイズのコート紙を1000枚重ねた時の重さが135kgになる、という意味です。
つまり紙が厚いほど重くなり、「kg」という “重さ”を知ることによって、おおよその“厚さ”を知る目安になっているのです。
これは昔からの慣習で、実際の厚み(μm:マイクロメートルやmm)で管理するよりも、印刷現場で紙を扱いやすく、郵送時の重さなどを把握しやすいという利点があるため、現在も広く使われています。
紙種によって厚みは違う
ただし、紙の種類によって同じkgでも厚さが違うため、注意が必要です。
例えば「上質紙90kg」と「マットコート紙90kg」では、同じ連量でも実際の厚さ(紙のかさ)は異なります。
これは紙の製造工程や密度が異なるためで、コート紙のように密度が高い紙は、同じ重さでもやや薄く感じることがあります。
そのため、印刷物の仕上がり感や手触りを重視する場合は、事前にサンプルを確認することをおすすめします。
まとめ
「kg」という単位は、一見不思議に思えるかもしれませんが、印刷業界においては厚さや使い勝手をイメージしやすい実用的な指標です。
この連量の意味を知っておくと、よりスムーズに希望に近い仕上がりを実現することができます。
なお、コート紙を例に、紙の連量と用途の目安を以下にまとめます。印刷物発注の参考にご覧ください。(資料:印刷の通販グラフィックより)
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